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海水魚は本当によく喧嘩します。比較的相性が良いといわれている種同士でも喧嘩、虐めがたびたびあります。 飼育書等でも相性が比較的良いと言われるものでも場合によっては喧嘩や虐めがあります。生まれつき広い環境で生活しているものをわずかなスペースに閉じ込めぎゅうぎゅう詰めにして飼育する訳ですから無理もない事ではありますが... ここで飼育上問題になるのが、喧嘩、あるいは虐めがあっても長期飼育が出来るのかと言う事に尽きると思います。長期飼育とはどのくらいの期間が長期なのかと言う事もありますが...魚種などにより飼育難易度が異なるので一概に比較はできませんが、少なくとも数年から10数年になると思います。 実際にどの位のアクアリストの方が実現出来ているのでしょうか?飼育する種類、環境にもよりますが、10年近くの飼育期間を実現されている方となると極僅かではないでしょうか?出来るだけ広い環境が必要な事も誰でも理解は出来ますが、現実的に考えると自分も含めてやはり小さなスペースで飼育されている方のほうが圧倒的に多いのではないかと思います。 ここでは主に大型ヤッコ、チョウチョウ、ハギなどの喧嘩、虐めについて日ごろ観察して気づいた点を挙げて見たいと思います。 ヤッコ、主にHolacanthus種同士はやり相性が非常に悪く喧嘩が絶えません。それよりはPomacanthus種同士の方が種類も多いせいか組み合わせ幾分楽なような気がします。それこそサイズ差を利用すればどちらも上手く行く可能性は高くはなると思います。大型ヤッコが多い時は多少のサイズ差を付けながら喧嘩が強いものほど小さな個体にすると上手く行く可能性が高いと思います。 やはり一般的に言われている相性を参考にしながら、強い固体を小さいサイズの個体にする事によりパワーバランスを考える事が基本だと思います。一例を挙げるならHolacanthus種でクィーンを大きいサイズにしパッサーは小さいサイズにするといったところです。(当たり前ですが...) 同種の大型ヤッコ同士を混泳させている方もいると思いますが、この場合は大体がサイズ差がかなりある事が多いと思います。例えがウズマキとタテジマキンチャクダイなどの極端にサイズの違う個体を混泳させているケースが多いと思います。 大型ヤッコは小型ヤッコに比べサイズ差で組合せ出来るので、その点は小型ヤッコに比べ少しは楽だと思います。岩組みのレイアウトもCentropyge種などはどんなに複雑にレイアウトしても相性が悪いと追いかけ回し虐めますが、大型ヤッコなどは比較的小さい固体が追い回され岩の隙間に隠れても大きいサイズの個体はそこからは入って行けない事があります。その点では大型ヤッコの方が少しは楽では?と考えております。サイズ差が極端に違う場合ははじめから大きな個体が小さな個体に関心を示さない事が多いものです。 ヤッコやハギは岩の下に隠れる習性があるのでその習性を上手く利用し水槽の底を迷路のような岩組みにする事により力の差があまりない時は有効に働きます。岩を高く積むよりも底のスペースを広く上手く利用し交わらないようにしてやる事で喧嘩や虐めが少しは回避出来ます。ただあくまで力の差があまりない時であって、明らかな違いがある時にはつまみ出される可能性も否定出来ません。その時には強い固体を隔離、仕切るなどして様子をみてから再度対処する必要があろうかと思います。 デリケートな魚はそばに嫌いな個体がいるだけでストレスになりえさを食べなくなる事がありますが、その場合はやはり強い固体を仕切るなどしてストレスを緩和する事が大切です。仕切や隔離ではいくらそばに嫌な固体がいてもストレスにはなりません。威嚇はしますが、やはり虐められたり、追いかけ廻されない限りはストレスとはならないようです。どうしても上手く混泳出来ない場合はどちらかを手放す事も場合により必要です。でないと弱い固体がいずれは☆になる事でしょう。 また一例ですが我が家の場合はアズファーとマクロススの関係ですが、マクロススが小さいうちはアズファーが執拗に虐めましたが、成長と共にほぼ同じ大きさになる頃には虐めは少なくなりました。サイズ差がこの先逆転する事が考えられますが、この場合は力関係もが今までとは反対になると考えられます。(虐めるとは限らないですが、明らかに力関係は逆転する事でしょう) これは他の種類の魚にも言える事だと思います。 どんな魚でも慣れきった魚はその環境ではかなりの適応性があります。それを上手く利用する方法も考えられます。完全に弱い固体を慣れさせテリトリーを作らせてから時期をおいて次の強い固体を追加するなどです。ただ明らかに力関係が違いすぎる場合は効果は期待出来ません。弱い方が追いやられます。 その反対に新たに追加した時によくやる方法としては、いままで慣れきった虐める魚を一晩もしくは数日隔離なりしてその間にレイアウトを変更して戻してやる方法も新参者を上手く混泳させるには有効な方法だと言えます。 またその逆にそれほど力関係に差がないもの同士、サイズを同じ位にして力関係を分散させる事も有効だと思います。一緒に複数収容する事により標的を分散し一匹だけが虐められないようにする方法もあります。(我が家ではこの方法をとっております。一部誤算もありますが...これは通販ならではの個体のサイズが指定サイズよりかなり大きな個体が送られて来た事によるものです。) チョウチョウ同士もよく喧嘩してますが、大体が追い払うか少し互いに威嚇する程度で終わります。お互い傷つけあったりボロボロになるまで執拗にはしません。(チョウチョウウオの数が多いときにはストレスやキズを負う個体もいるかも知れませんが...)それに比べヤッコやハギなどは場合によっては相手を虐め殺す事も十分に考えられるので、水槽の隅に追いやられ虐められている個体などがいたら、もはや挽回の余地がなく早めに対処しないとボロボロにされ突き殺されかねません。と言うかほとんど確実に☆になります。 ヤッコとチョウチョウ、ヤッコとハギ、チョウとハギ、海水魚はとにかく強いものが追い払う事など日常茶飯事、このような場合は一時的で済む事がほとんどですが、生体それぞれの相性を観察し傷つく可能性は?ストレスは?えさはしっかり食べているか?などを把握して日ごろから観察する事が大事に至らないポイントだと思っております。 いずれにしましても、喧嘩によって、傷つけられるのか?ストレスになるのか?最終的には☆になるのか?そうはならないのかと言う事です。問題ない程度の一過性の虐めなのかどうなのか?と言う事を飼育者が判断して早期に対策を講ずる事によって少しでも争いによる事故をなくし長生きさせて欲しいものです。 このような問題は1匹だけの飼育であれば起きないのですが、飼育者としては綺麗な魚を上手く混泳させてみたいという願望は常にあります。この魚本来の習性と相矛盾する事を実現しようとしている事がそもそもの最大の原因ではありますが、その矛盾にもまして海水魚には人を引き付ける魅力があります。困ったものです... (上記の内容はほんの一例に過ぎません。飼育環境、個体の性格、個体密度などにより異なる事も十分考えられます。)
*一般的に言われている事とそれ程違いはないと思います。同じサイズで比較出来れば種類の違いによる力関係が判りやすいのですが、やはりサイズの違いが一番各個体の力関係に影響してくるものと思われます。(ここで言うサイズの違いとは2〜3センチ以上違う場合で、1センチ程度であればほぼ同じと言えると思います。)
また水槽に入れる順番にもよりますが、我が家では早いものと遅いものとでも2ヶ月の違いしかありません。(大きい個体=強い)と考え大きい個体を最後に水槽に入れています。(一部例外もありますが...)魚の種類にもよりますが、個体ごとの性格、状態なども力関係に多少なりとも影響があると思われます。
また、各個体が成長するに従いサイズの差が逆転する事もあります。その場合には大きいサイズの魚が優位な立場になると考えられます。同じ大きさと仮定して推測するならば強い順に1.パッサー、2.マクロスス、3.アズファー、4.クィーンかブルーフェイス、最後がウズマキかな??。ただ、あくまで我が家の個体を観察して思う事であって、これもほんの一例に過ぎません。 (以上 参考程度にご覧ください。)
◆太平洋貿易株式会社 活魚から熱帯魚、海水魚の水産用飼料を取り扱っております。