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病名
海水魚飼育は使い古された言葉ですが、「正に病気との闘い」です。ヤッコ、チョウチョウ、ハギ等の海水魚を飼育した経験がある方で一切病気に罹った事がないという方はほとんどいないのが現状ではないでしょうか?特に海水魚の病気=白点病と言われるくらい代表的な病気もあり、最悪の場合は全滅という事態も... その他どんな病気にしろ予防に勝る治療はないのですが、海水魚の場合は新たにこれらの種類を追加した場合にはかなりの確立で白点病が発病する事が多いと思います。非常に厄介な病気です。予防だけでは防ぐ事が出来ない場合も多いと思います。白点病に限らず病気の治療法を会得して手遅れにならないうちに処置を施し末永く元気で優雅に泳いで欲しいものです。 病気の主な原因 ◆新しく追加した魚が病気を持ち込んだ。 ◆新しく魚を追加した時にショップの水から病原菌が入り込んだ。 ◆生餌(アサリ、冷凍餌)などから病原菌が入り込んだ餌を食べて感染。 ◆長期間水換えをしていない、水質悪化(日々の残餌や糞などで硝酸塩濃度が上がり、海水が酸化しphが異常に下がる) ◆飼育環境の急激な温度変化(ヒーターが壊れた、温度設定を間違えた) ◆底砂を巻き上げた。 ◆ろ材が目詰まりを起し、ろ過が正常に機能しない。 などなどその他いろいろな原因が考えられます。 ★病気の程度によっては死亡につながる事も十分に考えられますので、生体の動きを日頃からよく観察し、早期発見、早期治療をしたいものです。 *下記の治療法は自己責任に於いてお願い致します。(当方で責任は負いかねます。) あらかじめご了承下さい。
◆症状 ・病名のとおり魚の体やヒレ、目に白い点(クリプトカリオン・イリタンス)が寄生して体を擦りつける仕草がみられる。また体をブルブルさせたり目が白く濁ったりする。悪化すると白点が体全体に広がり餌を食べなくなり、エラに寄生すると呼吸がはやくなる(呼吸困難)。やがて死亡する場合も多い。代表的な海水魚の病気です。 ◆原因 ・もっとも多いのが新魚を追加した場合に魚に寄生していた。 (ヤッコ、チョウチョウ、ハギなどはかなりの確立で寄生していると考えるべき、そのまま水槽に入れるとほとんど発病すると思った方がよいです。) ・ショップの水と一緒に持ち込まれた。 ・ろ過が目詰まりした事により発病。 ・底砂のシストを巻き上げた事により発病。 ・急激な温度変化により発病。などなど... ◆硫酸銅による治療法 (硫酸銅は薬局で市販されている。劇薬である為、印鑑が必要です。) *注意 あらかじめエビ、貝、サンゴ、(ライブロック)などの無脊椎生物は別水槽に移しておくようにしましょう。 ■治療する水槽の水量に対して銅イオン濃度が0.3〜0.5ppm位の濃度を維持するようにして下さい。 ■水温は白点のライフサイクルを早める為に28度位の高めにします。 ■活性炭などは銅を吸着し効果をなくす為、あらかじめ取り除いておく。 @ 1gの水に4gの硫酸銅を溶かす。=1000倍濃縮液 (ペットボトルなどに入れて作りよく溶かし、ふたをしておく) 投薬量 ・水1リットル+濃縮液1cc(ml)=1ppm (例) ・規格45センチ×30×30水槽 →約 35リットル+濃縮液10.5cc=0.3ppm ・規格60センチ×30×36水槽 →約 60リットル+濃縮液18cc=0.3ppm ・規格75センチ×40×45水槽 →約120リットル+濃縮液36cc=0.3ppm ・規格90センチ×45×45水槽 →約150リットル+濃縮液45cc=0.3ppm A投薬方法 ・投薬方法は朝晩2回(12時間置き)比較的流れのある所で出来るだけ水で薄めて(水槽の海水でもよい)点滴するように時間をかけてゆっくり投与してください。 ・投与中はショック症状を(ケイレン)など起こす事があるのでその場合は即中止してテトラ アクアセイフなどで中和して下さい。 魚の状態を見ながら時間をおいて翌日にでも慎重に再投与して下さい。 B最低でも3日位は投与を続けなければならいが、白点が見られなくなっても念の為にもう一度投与して下さい。 *銅イオンはろ材や底砂に吸着され徐々に濃度が下がるので銅イオン濃度測定は銅テスターを用います C治療後は2週間ほど水換えしないでそのままにしておく。 D2週間経過後に治療完了、水換え約3分の1をする。(その後は通常の管理でよいです。) *一般的に1度硫酸銅を使用した水槽では無脊椎飼育は無理と言われておりますが、水槽内、そのろ材、底砂、岩などをよく洗えばエビ、貝などは問題なく飼育が出来ますが、サンゴやイソギンチャクなどは長期飼育は難しいかもしれません。 *銅イオン 等の治療薬として 販売されている製品に関しましては同封の取り扱い説明書に従いご使用ください。 ◆グリーンFゴールド&低比重による治療法 @比重を1.010〜1.015位まで数時間かけて下げる。 ・急激な水質変化はやはり避ける。 ・温度は28度に設定 ・例えば水槽の比重が1.020から1.010に比重を下げる場合は半分に薄めればよい。(半分海水を捨てて半分水を足す) この時に当然の事ながら、あらかじめ塩素を抜いた温度あわせをした水を入れる。 グリーンFルド もこの水にあらかじめ入れて完全に溶かしておく。(半量) A薬効は3日は持続するようなので我が家の場合は3日〜4日後に白点が消えなかったらもう半量入れる。(水槽の水でしっかり溶かしてある程度薄めてから入れる。) B白点が消えても最低2〜3週間はそのままにしておく。 C2〜3週間後、同じ比重の人口海水を水槽の水量の3分の1作り水交換する。(場合により底砂の毒抜きをする) ・治療をはじめから通算で6週間経過後まで続ける。(薬は入れない) D6週間経過したら活性炭をいれて水の色を抜き、3分の1水交換する。 ・ ここから数日〜1週間位かけて比重を元に戻す。 ・急激に比重を戻すとphの急上昇を伴い魚体に負担がかかるので慎重に戻した方がより安全です。 ◆低比重治療 この治療法は海外のサイトや大阪海水館さんのサイトでも紹介されている治療法です。 @上記のグリーンFゴールド&低比重とほぼ同じ方法で比重を1.008〜1.010にして最低4週間行います。 ・海外のサイトでは6週間が望ましいとあります。(実際に治療してみて6週間がやはり理想的と思われます。) ・我が家でも2度行いましたが、パウダーブルーなどは低比重に弱いと感じました。当然個体差もあると思われます。小型魚も影響があるとの事でしたが1.010程度では比較的弱いといわれるホンソメや他の小型魚(ルリスズメダイ、カクレクマノミ、ミズタマハゼ)なども問題なく大丈夫でした。1.006くらいまでは絶えるようですが、ぎりぎりまで下げるのは危険なので1.009〜1.010あたりで行っております。低比重だけで症状が改善されない場合はグリーンFゴールドとの併用が一番安全な治療法のような気がします。(ただ治療後、水の色を抜くのが大変ではあります。)活性炭だけでは簡単に綺麗になりません。 *また当方使用の比重計は信頼性の高いと言われる光学比重計 を使用しております。比重計はやはり精度で選びたいと考えています。信頼できるメーカーのもを選びたいものです。
いずれの治療に対しても ・いままでに上記いずれの方法にたいしても治療を行いましたが、やはり回を重ねるごとに治りにくくなり白点虫の硫酸銅、GFGに対する耐薬性、また低比重に対しても抵抗力が感じられました。新魚の追加の場合の発病が一番多いと思います。やはりたびたびの治療はそのような面でも大変だと改めて感じております。 ・今までの経験から新魚(ヤッコ、チョウチョウ、ハギ)を追加した場合などにはかなりの確率で発病します。ほとんど発病すると思ったほうがよいくらいです。逆にろ過が安定し魚を追加さえしなければ、また日頃の管理(水換えなど)を定期的にきちんと行えばその後、罹ることはあまりありません。それほど難しい治療ではないので白点病治療をきちんとマスターし、長期飼育の第一歩にしたいものですね。 ・また低比重治療をする場合(GFG使用時も含む)塩分濃度を下げる事(浸透圧を下げることにより)白点のシストを破裂させる事で治療するわけですが、この時、理想を言うならば水槽に入れる真水のphをほぼ水槽の海水と同じにする事により、魚体への負担がより少なくなると考えられます。また治療後に比重を元に戻す場合は(低比重によりphが下降しているのを比重を元に戻すことにより急上昇をまねくので)この場合、下降させる時より更に魚体に負担がかかる事が予想されます。 もっとも理想的なのは海水が蒸発するたびに比重はわずかづつ高くなりますが、その速度くらいじっくりと元の比重まで戻せるのなら魚体にはほとんど負担がかからないと思います。ここまで神経質になる必要はまったくありませんが、あくまで理想を述べさせて頂きました。 いずれにしましても魚は比重が変わる事よりphの変化には敏感ですので、phが下がらないようにしておく事は魚の事を考えた場合、より負担が少ない事だと思います。
◆太平洋貿易株式会社 活魚から熱帯魚、海水魚の水産用飼料を取り扱っております。